昨年1年間に都内で認知された特殊詐欺は2896件(被害総額約63億円)で、前年(3815件)から24・1%減少し、4年ぶりに3000件を割り込んだことが警視庁のまとめでわかった。警視庁は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛で、被害者を現金自動預け払い機(ATM)に誘導する手口が減ったことなどが要因とみている。
発表によると、医療費が戻ると偽ってATMを操作させ、現金を振り込ませる「還付金詐欺」が700件(前年比40・6%減)と大幅に減少。有料サイト利用料などの名目で詐取する「架空請求」も159件(同51・2%減)と半減した。息子や孫を装う「オレオレ詐欺」は566件(同13・2%増)だった。
警察官らを装って被害者宅を訪れ、キャッシュカードをだまし取る「預貯金詐欺」も678件(同15・1%減)と減少したが、5月以降、カードの端にハサミで切り込みを入れ、使えなくなったように見せかけて持ち去る手口が目立った。
一方、摘発件数は2274件(同151件増)で、統計を取り始めた2004年以降で最多だった。摘発人数は693人(同121人減)で、このうち151人が暴力団構成員、116人が少年だった。
新型コロナに便乗した不審電話は153件で、被害は2件。昨年10月には、品川区の70歳代の女性が息子を名乗る男から「コロナ患者数をごまかしている病院から口止め料として金を受け取ったが、金を返さなければならない」などと電話を受け、現金約1400万円をだまし取られたという。
警視庁幹部は「今後、外出自粛で在宅している高齢者のタンス貯金を狙った犯罪が増える可能性がある」と警戒している。
出典:yahooニュース(2021/2/16)
https://news.yahoo.co.jp/articles/76c0f9b748697579ffa6de810aa399bdbc09b276