新型コロナウイルスのワクチン接種に便乗した詐欺とみられる不審な電話やメールが相次いでいる。福岡、佐賀、長崎各県で少なくとも計10件確認されており、警察などは注意を呼び掛けている。

 

 「5000円を入金すればワクチンを優先的に接種できる」。福岡県警によると、1月下旬、同県筑後地区の50代男性宅に、NPO法人の職員を名乗る女から電話があった。男性は不審に思い県警に相談、被害はなかった。県消費生活センターは、同様の相談を県内で6件確認している。

 佐賀県は、今月中旬までに詐欺が疑われる事案を3件確認した。不審電話の他、届いたメールに記載されたURLをクリックすると「友達を3人紹介したら優先的に接種できる」という画面が表示される事案もあった。長崎県警も1件を把握。9日、長崎市の70代男性宅に「事前に負担金を支払えば優先的に接種できる」との電話があった。

 国民生活センターによると、全国的にワクチンを巡る不審電話は増加。福岡県警などは「新型コロナのワクチンは全額公費負担なので無料。現金を払って優先的に接種できるということは絶対にない」と強調している。 (小川勝也、坪井映里香)

出典:西日本新聞(2021/2/25)
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/698050/