新型コロナウイルスワクチンの高齢者向けの接種に絡め、電話で個人情報を聞き出そうとするなどの不審な電話が、県内で二十日までに二件確認されたことが県警への取材で分かった。金沢三署は啓発チラシ三千枚を作製し、注意を呼び掛けている。

 県警によると、電話はいずれも市役所職員をかたる人物からかかってきた。電話を受けた一人は「ワクチン接種に必要な書面を送るので、家族構成を教えてほしい」と言われたが、不審に思い断った。もう一人は、ワクチンの話をされた直後に「旦那に代わる」と伝えると、すぐに切られたという。ともに現金の支払いは求められなかった。

 ワクチンの接種や予約は無料で、電話やメールで個人情報を求められることはない。それでも、他の都道府県でも「金を振り込んだら優先的に接種できる」「後日返金をするから振り込んで」などと、詐欺とみられる電話やメールが相次いで確認されている。

 金沢三署は、注意点を記載したチラシ二千枚を、金沢市地域包括支援センターに配布。職員が高齢者宅を訪れる際に手渡す。金沢中署生活安全課の寺井直樹課長は「内容にかかわらず、電話でお金の話をされたら詐欺。迷わず警察や家族に相談して」と呼び掛けている。(寺田結)

出典:中日新聞 (2021年4月21日)
https://www.chunichi.co.jp/article/240443?rct=k_ishikawa