熊本県内で「電話で『お金』詐欺」の被害が急増している。今年、県警が認知した被害は7月末時点で56件・1億1047万円。昨年は1年間で41件・4936万円だったため、被害額は2倍以上となっている。

 県警生活安全企画課によると、多いのは介護保険料の払い戻しなどをかたる「還付金詐欺」の22件・2065万円で、件数は全体の4割。架空料金請求16件、預貯金詐欺8件などが続いた。

 熊本市の60代男性は4月、振込額の入力を手続き番号と錯覚させて入力させる手口で被害に遭った。自宅の固定電話に市の介護保険課職員を名乗る男から「保険料の返還手続きがある」との連絡があり、信じてしまった。

 男性は携帯電話で別の男の指示を受けながら、銀行の現金自動預払機(ATM)を操作。「手続き番号を入力してください」と言われ、振込額を入力。最初は約99万円を振り込んだ。銀行員が指摘するまで複数回振り込み、被害は約280万円に上った。

 同課は「振り込む前に一人で考えず、家族や警察に相談してほしい」という。また、電話の自動録音機について「『この会話は録音されています』と自動音声が流れるため詐欺グループが嫌がる。被害防止に有効」としている。(中島忠道)

出典:Yahooニュース(2021/8/19 熊本日日新聞)https://news.yahoo.co.jp/articles/e32511232b4f1a856272c13f305e475f970cefca