パソコンがウイルスに感染したように装って、対策費名目で金品をだまし取る「サポート詐欺」の相談が県警に相次いでいる。昨年は71件だったが、今年は8月末までで60件に達した。被害額も計約310万円に上り、今月に入ってからも新たな被害が確認されている。県警は段階ごとの対処法を公開し注意を促しており、「ウイルス感染も情報流出も全部うそ。警告画面が出ても焦らないでほしい」と呼び掛けている。
サポート詐欺は架空請求詐欺の一種。パソコンでインターネットを見ていると偽の警告画面が突然表示され、大きな警告音・音声が流れる。案内された番号に電話すると片言の日本語を話す人物とつながり、ウイルス対策費名目で電子マネーなどをだまし取られる。
県警生活安全企画課とサイバー犯罪対策課によると、昨年1月から今年8月までに県警が相談を受けた131人のうち、圧倒的に多いのが男性で102人。年代は10~90代まで幅広いが、男性は60、70代が約7割だった。警告画面は、アダルトサイトや海賊版の漫画サイトなどを閲覧中に表示されるという。
80代男性は今年3月、自宅でアダルトサイトを見ていたところ、警告音と「マイクロソフトのセキュリティーセンターに電話して」と女性の音声が流れた。応対した外国なまりの日本語を話す男の指示で電子マネー20万円分を購入し、番号を伝えた。こうした人の中には、相手に「番号が間違っている」などと言われ、繰り返し電子マネーを購入したため被害額が膨らんだ人もいるという。
被害に遭わないために、県警は段階的な「サポート詐欺対処方法」を公開している。羞恥心などから警察に被害の相談、届け出をしていない人も多いとみられるため、担当者は「困った時は1人で悩まずに、最寄りの警察署や専用ダイヤル(♯9110)に相談してほしい」と呼び掛けている。
出典:Yahooニュース(2021/9/21 山形新聞)https://news.yahoo.co.jp/articles/790f47645c91bbf5f12dae0de6a979dfd7059a55