電話やメールなどで現金の振り込みなどを呼び掛けて金銭をだまし取る特殊詐欺事件で、2021年1~11月末までの沖縄県内での被害総額が約9250万円に上ることが17日までに、県警への取材で分かった。17年以降の過去5年で最多。発生件数は14件と5年間で最少だが、1件当たりの被害が高額で、被害総額を押し上げた。県警や金融機関などは安易に現金を振り込んだり、電子マネーなどを購入したりしないよう呼び掛け、少しでも不安があれば親族や金融機関、警察などに相談するよう注意喚起している。

 県警によると、那覇市の50代女性が約6900万円をだまし取られた事件が過去5年間の1人当たり特殊詐欺被害額としては最高。20年4月ごろ、女性の携帯電話に賞金数十億円の当選を伝えるメールが届いた。賞金を受け取るためには質問に回答する必要があり、そのためにはポイントを購入しなければならないとの説明だったという。

 女性は20年11月までに、数回に分けて5~500万円単位で県外の会社名義の口座に振り込んだ。女性の親族が県警に相談したところ、21年に架空料金請求詐欺事件と判明した。

 過去5年の特殊詐欺を犯行内容別にみると、架空料金請求詐欺が毎年10~20件で推移しており、半数以上を占める。全国的に被害者が相次いだ「オレオレ詐欺」は6件あった17年を最後に県内では発生していないが、似たような手口でキャッシュカードをだまし取る「キャッシュカード詐欺盗」なども単発的に発生しており、手口が巧妙化しているという。

 県警は詐欺被害防止として、自治会長会や老人会での防犯講話や、金融機関などでの広報啓発活動、コンビニエンスストアなどで電子マネーを購入する客などに店員からの声掛けを依頼するなど対策に取り組んでいる。

出典:Yahooニュース(2022/1/18 琉球新報)
https://news.yahoo.co.jp/articles/2a902c58fd8c482788682c5b7d857d54be06731c