千葉県内で、電話を用いた特殊詐欺で1千万円以上をだまし取られる高額被害が増えていることが7日、県警のまとめで分かった。令和3年の認知件数は114件減の1103件だったが、被害総額は1億9300万円増の26億700万円。このうち、高額被害は前年の25件から2倍近い46件に増え、被害額は3億1200万円増の10億1300万円に膨らんだ。県警が対策を呼び掛けている。

 被害の形態別では、キャッシュカードを渡したり、すり替えられたりする類型の件数が最も多かった。高額被害では、架空の料金を請求する手口で被害額が最も多く、中には7500万円をだまし取られたケースもあったという。

 昨年10月、県内在住の女性の携帯電話に「ご利用料金の支払い確認が取れておりません。本日中にご連絡ください」とショートメールメッセージが届いた。女性が送信先の番号に電話をかけたところ、NTTドコモのサポートセンターを騙る男につながった。「複数のサイトの料金を払わないと訴訟になる」などと告げられた女性は、複数回に分けて現金1千万円を振り込み、だまし取られた。

 県警は、自宅の固定電話を留守番電話設定にしたり、「迷惑電話チェッカー」という機器などを設置したりするという対策を呼び掛けているが、浸透していないのが現状だ。県警が実施した被害者へのアンケートによると、留守番電話設定をしていた人は20%で、迷惑電話防止機器を設置していた人は6%に留まっている。

 県警の田中俊恵本部長は7日の会見で特殊詐欺の手口が周知されていないことについて、「衝撃を受けている」とし、「検挙と抑止の両面で対応しなければならない。県警として全力を挙げて取り組む」と述べた。

出典:Yahooニュース(2022/2/7 産経新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/24eb267ff90375248452ecd2c8443d3bcbdbf663