高齢者を狙った特殊詐欺が後を絶たない中、街頭での対策を実施した神奈川警察署が2件の詐欺被害を立て続けに防いだことが、同署への取材で分かった。署独自の警戒により、被害を水際で阻止したケースは珍しいという。
6月15日から17日の3日間、区内の主要5駅(東神奈川、大口、新子安、東白楽、白楽)周辺と、各駅の半径500m以内にあるコンビニエンスストアと銀行に署員を配置。午前10時から午後7時まで、延べ180人態勢で警戒にあたった。
電子マネー型など
1件目の阻止事例では、コンビニで2万円分の電子マネーを購入する高齢男性がいたため署員が声掛けを実施。男性が電子マネーを購入するきっかけとなったインターネットサイトを確認したところ、架空料金請求詐欺の被害に遭っていることが分かった。男性は当初「だまされているわけではない」と話し、自身が詐欺に巻き込まれていることを疑っていない様子だったという。
2件目の事例は、電話の相手に「分かりました、〇〇に向かいます」などと話しながら駅前をうろつく不審な男の尾行をきっかけに、詐欺の予兆電話を受けて現金をだまし取られそうになっていた70代女性の被害を防いだ。
同署によると、街頭での警戒が詐欺被害の発見につながったケースは珍しいという。渡邉春彦生活安全課長は、「緊急事態宣言下では街頭での啓発活動などを自粛せざるを得なかったが、今後も詐欺被害の撲滅に向けて警戒の目を一層光らせたい」と話している。
同署管内では、昨年1年間の特殊詐欺被害額が約2億4900万円に上り、県下ワーストだった。今年6月26日までの被害額は約2360万円、届け出件数は29件。
出典:タウンニュース(2020/07/02)
https://www.townnews.co.jp/0117/2020/07/02/532477.html