奈良県警と南都銀行(奈良市)は、現金自動預払機(ATM)を操作した際、画面に特殊詐欺の手口に関するアンケートを表示する取り組みを始めた。利用者にキャッシュカードをだまし取る特殊詐欺への注意を呼びかけるほか、今後の防犯対策に生かすことが狙い。

 南都銀行によると、ATMは県内外に約540台設置されており、月に約100~110万人が利用しているという。

 アンケートは、県内に住む利用者がATMを利用した際に表示。「キャッシュカードを家まで取りに来る詐欺の手口を知っていますか?」という設問の下に「はい」「いいえ」「画面表示終了」の選択肢が表示され、いずれかを押して答える。

 質問画面には「警察官や銀行員が暗証番号を尋ねることはありません」との注意書きも。アンケートの結果は県警に伝えられる。県警は回答を分析し、今後の啓発活動に生かす予定。

 11日に南都銀行本店で開かれた開始式で、県警生活安全部の猪岡磯好参事官は「アンケートの回答は、防犯対策の方向性を検討する貴重な資料として活用したい」とあいさつした。

 県警生活安全企画課によると、10月末時点で、県内の特殊詐欺の認知件数は148件(昨年同時期より8件増)、被害総額は約2億6370万円に上る。そのうち、キャッシュカードをだまし取ったり、盗んだりする手口の詐欺は107件(72・3%)だったといい、県警は警戒を強めている。

出典:産経新聞(2020/11/16)
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