お手持ちのお金が偽札にすり替えられている――。そんな不審な電話が東京都内の住宅にかかってきていることが警視庁への取材でわかった。特殊詐欺の新たな手口で、電話を受けた人が家を訪れた偽警察官に「回収」名目で現金をだまし取られる被害も今年になって急増しているという。
警視庁によると、東京都江東区に住む50代の男性宅に2月中旬、「警視庁の警察官」を名乗る男から、こんな電話があった。
「空き巣犯を捕まえました。犯人はあなたの家にも侵入しており、お金を偽札にすり替えたようです」
男は「偽札かどうか調べたいので、今から向かう警察官に手渡してほしい」と続けたという。直後に警察官を名乗る男が男性宅に現れた。制服姿ではなかったが、男性は保管していた約200万円を手渡してしまったという。
都内での同様の被害を、警視庁は2019年ごろから確認している。被害は19年が5件、20年は26件だったが、今年は8月までに54件と急増し、計約2億円がだまし取られたという。
警視庁の担当者は「こうした電話があればすぐ110番通報を。警察官が現金を受け取りに行くことはない」と注意を呼びかけている。(田中紳顕)
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■被害を防ぐには
・警察官や銀行員を名乗る人には、お金やキャッシュカードを渡さない
・自宅に多額の現金を置かない
・留守番電話機能や自動通話録音機、迷惑電話防止機能付きの機器を活用し、不審な電話に出たり折り返したりしない
・面識のない人からの電話に出てしまい、お金の話が出たら、すぐに電話を切り家族や警察に相談する
・電話の相手が公的な機関に所属していると言ってきたら、電話を切って代表番号にかけ直す
(警視庁などへの取材による)
出典:Yahooニュース(2021/9/25 朝日新聞デジタル)https://news.yahoo.co.jp/articles/8e5376ae9a107169a4a425e3e180fe5ad2b27c01