特殊詐欺による違法な収益と知りながら電子マネー利用権を買い取ったとして、神奈川県警捜査2課などは29日、東京都や横浜市などの26~39歳の男5人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で逮捕したと発表した。同課は、5人が3年余りの間に、約57億円の電子マネーを特殊詐欺グループなどから額面より安く買い取ったうえで転売し、差額で稼いでいたとみている。

 捜査幹部によると、特殊詐欺では、ウソの電話をかける「かけ子」、被害者宅に現金やキャッシュカードを取りに行く「受け子」などに役割が分かれるが、電子マネーを現金化する「換金役」の摘発は珍しい。

 逮捕されたのは、東京都渋谷区の会社役員(39)、横浜市西区の会社員(28)ら5人。

 同課の発表では、5人は2019年4~5月、横浜市内の事務所で、埼玉県の50歳代男性がだまし取られた電子マネー380万円分の利用番号が書かれたメールを氏名不詳者から受信し、犯罪収益を受け取った疑い。被害男性は「有料サイトの未払い金がある」とのメールにだまされ、電子マネーの利用番号を何者かに送信してしまったという。同課は5人の逮捕容疑への認否を明らかにしていない。

 香川県で起きた別の詐欺事件の捜査の過程で、電子マネーが男らに流れていた疑いが浮上。同課などが香川県警と合同捜査本部を設置し、調べを進めていた。

出典:Yahooニュース(2021/9/30 読売新聞オンライン)https://news.yahoo.co.jp/articles/1acf7b1873c76aa07952d00341c118c77aa6860d