静岡県警が昨年11月に詐欺容疑で逮捕した堺市の無職の男の被告(45)(詐欺罪で公判中)が、全国の特殊詐欺事件で現金の回収役「受け子」を担い、少なくとも六つの事件で計1億7550万円を受け取った疑いがあることがわかった。一人の受け子の受領総額としては異例の高額という。各地の検察が起訴を繰り返しており、中断していた裁判が静岡地裁で来月にも再開する見通しだ。
被告は昨年11月、静岡市駿河区の高齢男性から現金1000万円をだまし取ったとして、市内で緊急逮捕された。その後、菊川市の高齢女性が現金1000万円の被害に遭った事件で再逮捕され、大分、石川両県警も検挙した。だまし取った金は、多くが被告に指示を出した詐欺グループに流れたとみられ、捜査が続いている。
捜査関係者によると、被告は2019年、借金の返済ができなくなったことから「闇バイト」で金を稼ごうと考え、被害者から現金などを受け取る受け子の活動を始めた。九州から北海道まで各地を巡り、報酬の金は借金の返済やパチンコに使っていたという。
詐欺グループが「闇バイト」「裏仕事」と称してインターネット上で仲間を募り、困窮した人や若者が特殊詐欺に加担するケースが全国的に後を絶たない。県警幹部は「簡単にお金を稼げるはずがない。受け子という組織の末端であっても犯罪の責任を追及していくことが被害の抑止にもつながる」と話す。
出典:Yahooニュース(2021/10/16 読売新聞オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9b72f489d3c81e7e4a149cb7752a49d8dfa0c11b