警視庁愛宕署は20日、2度にわたって来店した70代女性が特殊詐欺被害に遭うのを未然に防いだとして、「ファミリーマート汐留タワー店」(東京都港区東新橋)マネジャーの西島聖二さん(48)と、客の会社員、菅原渚さん(33)=同区=に感謝状を贈呈した。
同署によると、菅原さんは8月4日、同店内でプリペイド式電子マネーのカードとスマートフォンを持ち、操作に手間取っている女性を見かけた。「何かお手伝いできることはありますか」と声をかけると、女性は同店で購入したばかりのカードの裏面に記載されたIDをどこかに送信しようとしていた。「詐欺じゃないか」と直感した菅原さんは110番。駆けつけた同署員に説得された女性は、IDを送信せずに帰宅した。
同6日、女性は再び同店を訪れ、カード1万円分を購入しようとした。西島さんは、2日前にもカードを購入した女性が来店したら、声を掛けるように店員に指示していた。店員がカードを売らず、西島さんが「ご家族に相談した方がいい」と説得すると、女性は他のコンビニにカードを買いに行こうとしたため、西島さんら店員数人で制止して110番。駆け付けた同署員が話を聞くと、女性は特殊詐欺とみられるメールを受け取っていた。メールには「骨肉腫で闘病していたが、全身に転移した。残りわずかな人生で誰かの役に立ちたいので生前相続できる人を探している」などと書かれていたという。
20日に愛宕署の江口博行署長から感謝状を受け取った菅原さんは「声をかけるのは勇気が必要だったが、未然に防止できてよかった」、西島さんは「スタッフみんなのおかげ」と話した。
愛宕署はこのほか、顧客に声をかけて特殊詐欺被害を防いだとして、芝信用金庫新橋支店の岡部真佳さん(24)と同店にも感謝状を贈った。【林田奈々】
出典:Yahooニュース(2021/10/22 毎日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/206d3f36aafe499889a8d550b09a291f4fb656d1