警察官になりすまして複数の高齢者らからキャッシュカードをだまし取り、計約3000万円を引き出したとして、大阪府警が無職の安井信勝容疑者(35)=大阪府岸和田市=を詐欺や窃盗の疑いで逮捕したことが、捜査関係者への取材で判明した。安井容疑者は特殊詐欺グループ内で現金自動受払機(ATM)から現金を引き出す「出し子」と、被害者からカードや現金を受け取る「受け子」の2役を1人で担当。出金回数はわずか1カ月間で60回を超えていたという。

 ◇1カ月間に60回超のATM出金

 捜査関係者によると、安井容疑者は他のメンバーと共謀して2~3月、大阪や京都、兵庫の高齢者約10人の自宅に警察官を装って訪問。「キャッシュカードが不正に使われており、裁判所に提出する必要がある」などとうそを言ってカードをだまし取り、ATMで現金を引き出すなどした疑いを持たれている。

 大阪市東淀川区に住む80代の高齢者からはカード6枚を詐取。1日に5カ所のATMを回って計23回の操作を繰り返し、900万円超を引き出したこともあったとされる。

 一連の事件は金融機関の申告で発覚した。府警はATMや周辺の防犯カメラ映像を集中的に捜査した結果、マフラーのような小物を首に巻く不審な人物が頻繁に出金を繰り返していたことが判明。安井容疑者の関与が浮上した。

 府警は3月に安井容疑者を逮捕。各地の被害も出金時の特徴的な服装が裏付け捜査の決め手になり、11月までに逮捕は9回(起訴は10回)に上った。安井容疑者はインターネット上の求人サイトを通じて特殊詐欺に加担したとみられるが、グループの実態は今も分かっていない。

 捜査幹部の一人は「出し子や受け子といった末端のメンバーを10回近く逮捕するのは異例。1人で3000万円近くの現金を手にしていて、今後はグループの全体像を解明する必要がある」と語った。【木島諒子、沼田亮】

出典:Yahooニュース(2021/12/7 毎日新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/871366d8bbd090f4da5d8a274791f13773092459