特殊詐欺の現金引き出し役「出し子」が、長ネギのはみ出た買い物袋を手に現場に現れるケースが相次いでいる。大阪府警は買い物帰りの一般人を装い、職務質問から逃れようとしたとみており、警戒を強める。

 府警は12日、キャッシュカード3枚を使って現金自動預け払い機(ATM)から約120万円を引き出したとして、京都府の少年(19)を窃盗容疑で逮捕した。ATM近くの防犯カメラに、長ネギの入った買い物袋を持つ少年の姿が映っていた。

 この少年は指示役からジャガイモやニンジン、タマネギ、カレー粉を事前に購入するよう言われ、「長ネギは袋から出すように」と具体的な指示も受けていたという。

 カード2枚を使ってATMから150万円を引き出したとして、窃盗容疑で18日に逮捕された京都府の別の少年(19)も、長ネギの入った買い物袋を持って現場の銀行付近を歩く様子が防犯カメラに映っていた。13日に、防犯カメラの男に似た、長ネギを持った少年を警察官が見つけて職務質問し、逮捕につながった。府警は、警察官に不審がられないため指示役が野菜を買うよう伝えたとみている。

出典:読売新聞(2020/5/21)
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200521-OYT1T50143/