国民一律10万円の特別定額給付金の支給に伴い、特殊詐欺の増加が懸念されている。秦野市では警察官や市役所職員などを装い、キャッシュカードを騙し取る手口の詐欺が発生しており、注意を呼び掛けている。
「巧妙化する特殊詐欺を防ぐには、まず犯人と話さないことが重要です。そのためには常時留守電設定にするか、迷惑電話防止機能付電話機への変更が有効です」と話すのは、秦野警察署生活安全課の影山洋一課長。留守番電話等を介することで声が証拠として残るため、詐欺の犯人が避けることが多いという。
特別定額給付金の支給に伴い増えている手口は市区町村や総務省などの職員を騙り、ATMの操作や口座・暗証番号、マイナンバー等の個人情報を聞き出すもの。市役所からの電話があれば「かかってきた電話で個人情報は教えず、必ず自分で調べた電話番号にかけて確認して欲しい」と話す。
キャッシュカード取り替えるはサギ
また、同署管内で多いのはキャッシュカードを盗むもの。秦野市では2020年上半期で9件約1300万円の被害が発生しており、その全てがキャッシュカードを騙し取られたことによる被害だという。
例えば、警察官や銀行協会等の職員を名乗る者から電話で「カードが不正利用されている」「新しいカードに変更しないといけない」などと言われるケース。その後、自宅に来て言葉巧みに暗証番号を聞き出し「カードを処分します」とハサミで切り込みを入れてから回収、「後日、新しいカードが届きます」と伝えて帰っていく。しかし、実はICチップや磁気スライド部には傷がないためATMでの使用が可能で、現金を引き出されてしまうという。事件の発覚まで時間がかかるのも特徴で被害額が増大してしまうことも。
迷惑電話防止機器の貸出も
ほかにも、宅配業者を装い「宅配伝票が雨に濡れて読めない。息子さんのお名前を教えて欲しい」と情報を聞き出し、後日息子の名前を騙るオレオレ詐欺や、スマホ等のメールで送られてくる未払金請求の問い合わせ先に連絡してしまい振り込んでしまうケースもある。その時は詐欺の被害に遭わなくても電話口で「お金がある」とわかる場合には、強盗にもつながる恐れがあるという。
「なにか引っかかることがあれば、まずは家族や秦野警察署に相談をしてください」。同署では市民を対象に、迷惑電話防止の対策機器の無料貸し出しも行っている。問い合わせは秦野警察署生活安全課【電話】0463・83・0110へ。
イヤホン外し周りの確認を性犯罪等の被害に注意
性犯罪やひったくり等の犯罪被害に遭わないために「イヤホンをつけての帰宅や外歩きはやめてほしい」と呼び掛ける。
特に、夜の帰宅中にイヤホンで音楽を聞いたり、スマートフォンの操作で周りへの注意が散漫になると、危険に気がつかない可能性も高い。同署では「周りや後ろにも注意を払い、明るい道を選ぶようにしてほしい」と話している。
出典:タウンニュース(2020/7/17)
https://www.townnews.co.jp/0610/2020/07/17/534782.html